AAAI-19に参加しました
こんにちは、開発本部の森田です。
1月末に開催された国際会議AAAI-19に参加しましたので、その報告を書こうと思います。
AAAIは今回ワークショップに投稿していて、不採択だったのですが、一応通過したときの事を考えて予算を確保していたのと、折角なのでハワイに行きたかった見聞を広めようということで参加しました。
参加した印象として、発表の充実は勿論、コミュニティとしての組織力を強く感じました。具体的には、「アメリカの今後20年のAIロードマップを決めるプロセスがAAAIで走っておりその進捗を共有するから意見求む」という大規模セッションがあったのですが、それがかなり構造的かつ建設的に進んでいくのを見てビックリしました。
学会というのは基本的にはボトムアップ組織だと思うのですが、それでも全体として着実に前進し、また一国の政策に影響を与える程に纏まりがあるのですね。僕はビックリしましたが当事者からすると当たり前なんでしょう。該当セッションのスライドやビデオはこちらです
聞いてきた発表について
現地では仕事に関わりのあるゲーム関連の発表を多く見て回りましたが、それらの発表に関してはすでに素晴らしい参加報告がありますので
- https://adtech.cyberagent.io/research/archives/1838
- https://speakerdeck.com/pacocat/aaai2019bao-gao-hui
僕の方からは「Imagination Science: Beyond Data Science」というちょっと毛色の変わった?チュートリアルについて簡単に紹介させて頂きます。
講演者のSridhar MahadevanさんはAAAI Ferrowで、AdobeのData Science LabというところでDirectorをされているそうです。Imagination ScienceはMahadevanさんの造語?で、既存研究をImaginationという視点で整理し直し、今後のリサーチの方向性を提案する、という内容でした。
既存研究としてはGANや因果推論、強化学習、転移学習、ドメイン適用などを取り上げています。
また、Imaginationを定義する?数学的構造として平衡とファイバー束というものを取り上げらています。
引用されている論文のうち、話の趣旨に特に近そうだと思ったものを2つリストします。
- Counterfactual Data-Fusion for Online Reinforcement Learners
- エージェントが自身の経験により収集したデータ、固定ポリシーやランダムポリシーにより収集したデータ、エージェントの行動に影響を与える観測不可能な要素を仮定したデータの3つを利用して学習を加速させる方法を提案する
- A Unified Framework for Domain Adaptation using Metric Learning on Manifolds
- 統計的多様体のリーマン幾何学を利用して、ドメイン間の差異を再構築するという、ドメイン適用手法の提案
発表内容は正直難しく理解できませんでしたが、Imaginationというエモい概念を数学的に真面目に定義しようとする姿勢に感銘を受けたので紹介致しました。
次回はちゃんと採択されて参加できるよう、精進したいと思います。