GREE Tech Conference 2020 ご参加ありがとうございました
こんにちは。開発企画部の佐島です。
はじめに
9月18日(金)、グリーグループの様々な技術チャレンジを紹介する GREE Tech Conference 2020 が開催されました。
本イベントでは7時間の生配信を実施しました。アーカイブはこちらにありますが、今から全部視聴するのは大変だと思いますので各セッションごとに分割した動画を公式サイトにupさせていただきました。
スライドも併せてupしておりますので見逃した方や、この記事で知った方、是非ご覧ください。
セッション内容についてはスライドも動画も揃っているのでそちらをご覧いただくとして(これはオンラインのいいところです!)、本エントリではカンファレンスを生配信することにこだわった理由と、生配信して気付いたことについてご紹介させていただこうと思います。
そもそも生配信にこだわった理由
オンラインイベントは生配信の他に事前収録したものを配信するという手段も取れます。
実際、私が視聴したオンラインイベントの半分ぐらいは事前収録されているという印象でした。
考えてみれば、テレビでも事前収録が大半で、生放送なんてスポーツ中継かM1グランプリぐらしか思いつかず、生である必要性はそもそも少ないと思います。
そんなことを思いながら何度もオンラインイベントに参加していく中で、面白いものと面白くないものが発表内容ではない所にあるような気がしてきました。
オフラインをそのままオンライン化すること
もともとオフラインで計画されていたイベントを止むを得ずオンライン化したイベントの多くは、発表内容が素晴らしいにもかかわらずなぜか物足りない印象がありました。
その理由を考えた結果、以下の3つが関係しているのではないかと思い始めます。
- スライドを使った発表
- 質疑応答
- 休憩時間
スライドを使った発表
PowerPointやKeynoteを使った発表スタイルは、オンライン、特にYouTubeでの配信で違和感がありました。スライドを使ったオフラインイベントの模様を撮影した動画であれば何とも思わないのに、オンライン前提のイベントだと違和感がある。
おそらくなのですが、スライドはオフラインに適したプレゼンスタイルだからじゃないかと思いました。ちょっと例えが極端ですが紙芝居で想像してみると、公園で子供たちを集めてやったらうまくいく、その風景を撮影したものは多分普通に見れる、しかしテレビで紙芝居をやるとなんとなく辛そう、という感じです。つまり、発表内容に問題があるわけではなく、メディアと発表スタイル(表現方法)がミスマッチしているのではないか、ということです。地方のテレビCMにありがちな、静止画でナレーションだけ入ってるやつ、あの残念な感覚に近いかもしれません。
逆に、動画をふんだんに使ったプレゼンや、討論形式のものはオンラインイベントでも普通に視聴することができました。
質疑応答
こちらはVOD方式だとそもそも無理だとして、生配信なのに登壇者に質問できなかったり、セッション終了後に話しかける場がないというのはイベントの満足度が大きく下がると思いました。
少人数のzoomを利用した勉強会であれば視聴者も音声をONにして質疑応答というケースもありますが、100名を超えるようなイベントだとさすがに難しく、コメントを拾ってもらうのを祈るのみというケースが多いかと思います。
一方で事前収録しつつ生配信の時間に登壇者にその場で質問できるスタイルなど、質問してくれた方になんとかその場で答えようという試みは、生・録画にかかわらず試行錯誤が続いているという印象です。
休憩時間
小さな勉強会だとトイレ休憩だったり、複数トラックあるような大型イベントだと部屋の入れ替えだったりと、必ず必要な休憩時間なのですが、多くのオンラインイベントで、このタイミングが最も抜けやすいと感じました。
テレビに何も映ってない時間はシンプルに放送事故ですし、YouTubeは観終わると同時に次にどれを観るのかを選択する時間ですし(しかも10秒程度)、基本的に休憩時間という概念はオフラインのみで、オンラインでは単なる離脱ポイントでしかないと思いました。
つまり
オフラインでそうやってたから、という理由だけで(←ここ重要です)
- スライドを使って発表し
- (手を挙げられない)質疑応答を設け
- セッション間に休憩を挟む
というイベント構成は、どうやらまずそうだということがわかってきました。
あくまでも「慣例に従って」というところに問題を感じているだけで上記そのものに問題があるわけではありません。
とはいえ
GREE Tech Conference 2020 は元々オフライン前提で準備していたイベントです。
すでに発表者も発表内容も確定している状況下でのオンライン化でしたので、途中からオンラインに最適なイベントに変更するには無理があります。
そんな中、質疑応答についてはAsk The Speakerをシェアするという方法でオンラインぽくしてみたり、休憩時間についてはばっさりなくしたりしてみました。
しかし問題はスライドを使った発表で、これをやめて欲しいと登壇者にお願いするわけにはいきません。
slidoのライブ投票
そこで目をつけたのがslidoのライブ投票です。
登壇者はスライドを使って発表しますが、それはオフラインのスタイルを「慣例に従って」そのままオンラインに持っていったわけではなく、オンライン上で視聴者とのインタラクションを実現するための手段として敢えて選択している、という言い訳がましい理由で、slidoのライブ投票を出来る限り導入してほしい旨を登壇者にお伝えしました。
これが結果的に生配信にこだわった理由になります。
結果22セッション中8セッションにライブ投票が実装されることになりました。それ以外にもプレゼンの大半が動画で構成されていたり、登壇者がアバターで登場するなどオンラインならではのセッションもあり、半分以上のセッションはオンラインに適したものにできたのではないかと思います。
実際に生配信をやってみて
上述した通り休憩時間を全てなくしたので、セッション間はMCのトークとCMで繋ぐことにしました。
また、セッション時間は多少なりとも押すだろうという前提で各セッション1分程度のバッファを考慮したタイムテーブルを組みました。
失われてしまった時間は用意したCMをカットして乗り切るつもりでした。
時間ぴったりで終えられたのに困るという事態
ところが実際には各登壇者が持ち時間をほぼ余すことなくぴったり話し終えます。
今回のタイムテーブルはセッションごとではなく3つのセッションを束ねたブロックごとで時間を指定していたため、時間調整はブロック間で行うことになります。
オフラインイベントなら休憩時間がちょっと伸びるだけで何の問題もないのですが、今回は休憩時間がないためバッファを何かで埋めなければなりません。
これは完全に想定外でした。
どうやって時間を埋めたのか
視聴者が投稿したツイートを紹介する仕組みを用意していたのでそれをフル活用しました。
当初キーノート終わりでしか使う所がないだろうと思っていたのですが、実際にはこのツイート紹介にMCのアドリブを加えることで各ブロックの余り時間を乗り切ることができました。
特に3ブロック目と4ブロック目の間にできた5分以上の余り時間を、あたかも最初からそのような台本だったかのように涼しい顔で乗り切るMCの繋ぐ技術には驚かされました。
最後に
実際に生配信をやってみて時間通りに番組を進めることの難しさを痛感しました。
これ以外にも現場では様々なトラブルが発生しており、開始から1時間ぐらいはずっと何らかのトラブル対応をおこなっていました。
いろいろと不備は多かったものの、ログを見る限り離脱の少ない配信を実現することができたのではと思っております。
改めまして、お忙しい中ご視聴くださいました視聴者のみなさま、スピーカーのみなさま、配信スタッフをはじめとする関係者のみなさま、本当にありがとうございました。