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CTO15年やったので仕事を増やしてみた

CTO15年やったので仕事を増やしてみた

みなさまこんにちは、グリー株式会社でCTOをしておりますふじもとです。最近は諸般の事情でWebUSBとWebNFCを観察しています、iOS SafariでWebNFCサポートしてくれないかな…。

そして今回は来たる2021/11/11に開催予定のGREE Tech Conference 2021の宣伝にやってまいりました。という!ことで!

GREE Tech Conference 2021 は 2021/11/11 開催です、ご登録はこちらから!

みなさまのご参加をお待ちしております。なおぼくは最初の基調講演で20分ほど (当然グリー株式会社の) お話をさせていただきます。

以上でだいたいこのエントリでお伝えしたいことはお伝えできましたので、以下は蛇足となりますが、グリー株式会社でCTOになって以来初めて社外での仕事をすることにしたので、少しだけそのあたりについて書かせていただこうと思います。あまり自分以外のどなたかにお役に立つ内容でもないのですが、なかなかある機会でもないので記録ということでご容赦ください。

(なお、もいっこのおしごと先でもnoteを書かなきゃいけなくて多分遠からず書くのですがというか早く書けよという催促を感じるのですが、こちらではあくまでグリー株式会社のCTOという視点で、ということでご認識いただければ幸いです)

なにをはじめたか

一応公表されているのでご存知のかたもいらっしゃるかと思いますが、2021/09/01に発足したデジタル庁のCTO「も」つとめさせていただくことになりました。正直身の丈に合わない大変なお仕事でして、どこまで価値を発揮できるか全然わかりませんが、せっかくの機会ですので出来るところまでやってみたいと思っております。

で、何をしているか、何をしていくか、何をしていきたいかなどについては、前述の通り追ってデジタル庁CTOという立場で別途書いていきたい思いますというか書かなければいけないっぽいので、ここでは詳細は割愛させていただきます、が、まぁなんというか予想したとおりというか予想を超えていろいろありつつ、楽しくがんばっております。

なんでやってなかったか

一応CTOを15年もやっておりますと、これまでもあれこれと副業でいいからちょっとお手伝いをしてくれないか、というようなお誘いは有り難くもちょこちょこといただいていたわけですが、お受けすることはありませんでした (いえ、お誘いをいただくのはほんとにありがたいことなわけですが)。

なんでかというと、端的に言えば自信がなかったからです、ちょっと違う言い方をすれば臆病だったから、とも言えます。つまり「お前自分の会社の仕事もちゃんとできてないのに、他社さん手伝ってる場合か?」という批判に耐え切れる気がしなかった、あるいはそういった意見に対して、それでも他社さんの仕事をすることが自社にとってプラスなのである、という意志を持つことができなかったから、ということです、書いてみると小さい人間ですね、とは思うのですが、そう考えてしまうものは仕方がない、というかそんなことを考えながらお仕事をするのは双方に失礼だとも思うわけです。

さらに言えば、もし自分が一従業員だったらもっと違う考え方をしたかな、と思うのですが、自身が常勤取締役である以上、会社の一人一人が、チームが、事業が、そしてプロダクトの価値が少しでも大きくなるよう最善を尽くすべきだと思うので、そうすると限られた時間を1つの会社以外に使う、という決断はなかなかできない、ということをずっと考えていたりしました。

なお誤解のないように書いておきますと、これはただ単純に自分はこう考えていた、というだけで、役職立場問わずいろいろな選択があっていいと思いますし、もちろん1つの会社にとらわれないほうが良い結果につながる、ということも多々あると思います。その判断基準やパラメータはほんとにケースによって異なる問題だと思うので、他のかたが違う選択をしているからといって何かが間違っていると言いたいわけでは全くありません (し、まかりまちがってもいわゆる副業を否定するものではない、ということは明記しておきます:)。

が、自分にとっては1-1でたまにお話したり、公開非公開問わずいろいろなセッションで交流を持たせていただく、というあたりまでが線引きでそれ以上のコミットはしない、ということを考えてきました。

なんではじめたか

じゃぁなんで始めてんだ、言ってること矛盾してるじゃないか、というのは我ながら思うところなので、そこについて書いておきます (なお、なんでデジタル庁だったか、についてはここでは積極的にはふれません、あちらで書くことなくなっちゃうので…すが、将来たぶんおそらく書かれるであろうあちらのエントリと重複することがあるかもしれません、と先に謝っておきます)。

他で本当に働けるのか

ぼくは (そこまで頻繁に、というわけでもないですが) チームのみなさんに、自分の市場価値は知っておいてほしい、この会社でしか働けない、ということがないように、願わくば他の会社でも全然いいけど、それでもここにいる、と思ってここで働いていてほしい (まぁそうなるようにがんばるのがぼくの仕事なわけですが)、ということをお話していたりします。

となると当然、じゃぁ自分はどうなんだ、というのも常に考えなければいけない、ということになるわけです。というかそもそも常に将来は不安なわけなので (というとお前大丈夫か、となるかもしれませんが、正確に言えば、自分に甘いぼく自身は将来が安泰だと思った瞬間にもうサボり続ける未来しか見えないので、将来が不安だと思い込むようにしている、というほうがちょっと正しいかもしれません)、自身も他の組織でそれこそCTOという役割で本当に価値をだせるのか、仮にCTOとして転職したとして、一定以上の期間CTOをやってきたという価値は出せるのか、というのは問い続けてきたことでもあります。

どうしても1つの会社に長くいると無形の資産 (それこそ、知っているひとが多い、とか、様々な制度、仕組み、コンテキストを理解しているとか) が積み上がっていくのでとても仕事がしやすくなっていきます。それ自体は全く悪いことではないと考えるのですが、じゃぁそれら特定の会社/組織固有の資産がなくなったときにどれだけの価値が出せるのか、ということはこれはもうやってみなければ分からないことなので、どこかで何らかの形で計測をしてみなければなー、という思いはやはり常にありました。ので、こうしてグリー株式会社でのお仕事を続けながらチャレンジができる機会があるならやってみよう、などと都合よく思った次第です。

自分が学んできたことに再現性はあるのか

前段の要素と割と大きく関連するところですが、一応なんとかかんとか15年以上もCTOをやっていたり、先達から、本から、自身の経験からあれこれと学んではきたりしていると、様々な問題に対してある程度セオリーが固まってきたりはしてきて、なんとなれば機会があれば偉そうにアドバイスみたいなこともしたりするようになってきました。

それはそれで一応ベストを尽くしてなんとかお伝えしてみたりはしますし、少なくとも自身の経験としては有意なことである、と思ってはいるわけですが、同時に「じゃぁ全然違うコンテキストだとどうなのか?」「自分のいっていることの普遍性はどの程度のものなのか?」「再現性はあるのか?」ということも常に考えてしまうわけです。

そういったことを考え、確認する、という意味ではこの間違いなく全然違う種類の組織であろうデジタル庁というのは、チャレンジするに十分すぎる環境ではないか、などと思ってしまったわけです。チャレンジ幅大きすぎだろう、とも思いますが、それについてまた別途どこかで書けるといいなーと思っております。

自分がキャップになっていないか

そして最後に、これもやはり1つの会社に、しかもずっとCTOとして自身が存在していると、自分がチームのみなさんの成長のキャップになってしまっていないか、組織の成長のボトルネックになってしまっていないか、という不安が常につきまといます。

こういった問題の解決に関する正しいアプローチは結構難しいとは思うのですが、なにもしなかったらそれこそ暗黙あるいはそうでない形でボトルネックになってしまう可能性が高いので、なにはなくとも (良い機会があれば) チャレンジをして自分の幅を広げよう、というのはおそらく悪い選択肢ではない、と思うのです。一方悩ましいのは、どうしても割ける時間というのは減ってしまうわけなので、これがチームのみなさんにとってプラスになるか、それともマイナスになるか、というのはやってみないと分からないところはありまして、なんというかもしかするとご迷惑をおかけするかもしれませんが、最終的にはチームにとっても良い結果になるよう意識していきますし、それも当然目的の1つなので、いましばらく様子をみていただいたり、あるいは忌憚ないご意見をいただければと思っています (などと社内向けのことを書く)。

もちろんこれらの要素以外にも、いくつかの、例えば行政という役割から日本の将来になんらか影響を及ぼすという機会はそうそうないだろう、なども相まって (これもまた別途書きたいと思います)、「やらない」閾値を超えた、というのが理由の半分くらいだったなー、と今にして振り返ると思う次第です。

あと半分はなにか

残りの半分についてはあまりにシンプルで書くのも憚れますが、直観です (というよりも直感、というほうが正しいかもしれません)。

これはただの個人的趣味ですが、一応こういう大きめの決断をするときは (1) 10年後にどうありたいかのビジョンを持って (2) そこに近そうなほうを選ぶ、ということに割と前からしていまして、その結果「これはやってみよう」と思った、いうことなのですが、このあたりまでくるとあまりに書いても仕方ない話になってしまいますので詳細は省かせていただきます (すごくバイアスのかかった内容になってしまうので)。

そしてさいごに

ということでおよそ2ヶ月ほどが経ちましたが、今のところ (とっても大変ですが) 後悔することなく生きております。1つだけ悩みがあるとすれば、ほんとにコード書けてないのでもう少し落ち着いたら週末にでものんびりコードを書く生活ができるといいなーと思っております。

こんなポエムを最後まで読んでくださってありがとうございました…!なんかもっと詳しくあれこれ聞かせろよ、とか、君こうしたほうがいいんじゃないか、こういうことしたほうがいいんじゃないか、などなどありましたら、社内のかたも社外のかたもお気軽にご連絡ください。

最後に改めまして、GREE Tech Conference 2021でお会いできることを楽しみにしております、基調講演もがんばりますっ。

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