AWS re:Invent 2023 に参加してきました

グリー開発本部の田中です。

AWS re:Invent は AWS が主催する最新のクラウド技術を扱った大規模イベントです。

グリーはこのイベントにこれまで何度も参加しており、過去の参加報告は以下のリンクでご覧いただけます。

 

新型コロナウイルス流行の影響により2019年から2021年までオンラインや限定的なハイブリット開催となっていましたが、2022年からはオフラインメインでの開催が再開されています。

本記事は昨年2023年に開催された「AWS re:Invent 2023」への参加報告です。

参加概要

グリーからは開発本部の4名が現地参加しました。

AWS re:Invent 2023 の開催期間は現地日付で11月27日から12月1日であり、グリーからの現地参加メンバーは日本時間で11月26日から12月3日までの出張でした。

参加中は基本的に終日自由行動でした。当日の連絡はSlackのプライベートチャンネルを通じて行い、役割分担は特に設けず、柔軟に行動しました。

事前準備

個人的に海外出張は初めての経験でしたので、特に慎重に準備を行いました。特にインターネットとバッテリーは命綱と聞いていたので、以下のように準備しました。

  • 携帯バッテリー:2つ持参したのですが、非常に役立ちました。
  • インターネット:会社からポケットWi-Fiのレンタルがありましたが、念のため国際ローミング対応のeSIMも契約しました。 

また、丁度海外出張中だった妻から新型コロナウイルスが改めて流行していると聞いていたため、解熱剤や飛行機用の酔い止めなどの常備薬も持参しました。実際現地スーパーで売っている解熱剤は日本で販売されている市販薬と比較して大きさが倍ほどあったり、極彩色を呈していたりなかなか見慣れたものがなく、体質に合うかどうか不安に感じました。機器や薬品は品質や慣れが重要なので、準備に労力をかけておくのが正解だと思います。

衣類やその他の準備は標準的なもので問題ありませんでした。世界的にトコジラミが流行している時期だったため、念の為対策として衣類は保護用のビニール袋に入れて持参しました。

移動

以下のルートで移動しました。

  • 往路:成田 ⇒ ロサンゼルス ⇒ ラスベガス
  • 復路:ラスベガス ⇒ サンフランシスコ ⇒ 成田

移動は予想以上にスムーズで、特に問題はありませんでした。空港では、とにかく片っ端から係員に挨拶しておくと、有益なアドバイスをもらえることが多かったので、積極的に声を掛けるように心掛けました。ロサンゼルスからラスベガスに移動する際、荷物を預ける場所を見逃しかけたのですが、挨拶しておいた係の方が違和感に気付き色々面倒を見てくれたりと、非常に助かりました。基本的に向こうから来てもらえることは少なくて、とにかくこっちから行くのが大事なのです。この姿勢はホテルやイベントでも役立ったので、みなさんもぜひ実践してみてください。

ラスベガス

街の雰囲気:AWS re:Invent に関連するイベント会場や主要な宿泊施設、空港のほとんどが「ストリップ通り」という1本のストリート周辺に位置しています。ここはラスベガスの観光地としての中心部でもあり、特徴的な建築物が数多く位置していたり、大型の施設にはカジノスペースが設けられています。

AWS re:Invent の開催期間中は AWS や今回のイベントの協賛企業についてのコマーシャルが街中の大型ビジョンで放送されていました。

移動手段:AWS re:Invent のイベント会場は1つではなく、複数の大型施設に分散されています。従って同日で目的のセッションがいくつかの施設にある場合、何らかの手段で施設間を移動する必要があります。イベント向けにはシャトルバスが用意されており、それを利用する方が多かったと思います。また Uber を利用するのも手でした。私の Uber の利用はこれが初でしたが、観光地でもあるラスベガスでは多くの Uber 車両が巡回しているためすぐに手配できます。イベント会場のような大型施設では Uber 専用の発着場が設けられているため、発着場所の指示がより一層簡単にできました。

ただし、車道は時間帯によっては混雑しており、予定通りに到着しないことがありました。
重要なイベントに向けては、時間を十分に確保して徒歩で向かうのが確実です。

セキュリティ:ラスベガスは近年セキュリティに厳しくなっており AWS re:Invent のイベント会場や通常の大型商業施設などでは、しばしば手荷物・ボディチェックが行われていました。一部のスーパーなどでは荷物を入口に置いて、手ぶらで入場するよう求められることもありました。

また、珍しいアクションカムが没収される現場に遭遇しました。先進的なガジェットなどを持ち歩く際は、説明書も携帯しておくなど、誤解されないように注意しておく必要があるかもしれません。

気候:ラスベガスはモハーベ砂漠の中に位置しており、気候は砂漠気候に分類されます。つまりここは雨が極端に少なく、とても乾燥しており、サボテンが生えているような環境だったりします(写真はスプリングス保護区)。極端な乾燥は健康上のリスクが高まるため、携帯加湿器を持参する、濡れたタオルを室内に吊るすなどの対策が推奨されます。

AWS re:Invent

AWS re:Invent は複数のイベント形態を有しています。ここでは印象深かったイベントをいくつか紹介します。

Keynote

Keynote は主に新サービスや新機能の発表が行われる、AWS re:Invent で最も注目されるイベント形態の1つです。注目度が高く、開発者だけでなく記者と思われる方も多数聴講していました。

Keynote 会場の多くはとても広いのですが、それでもセッションによっては満員になってしまいます。
そのためか、Keynote を含む複数の発表を一箇所で見られる会場が特設されていました。疲れているときや、移動時間がないときには非常に助かるシステムでした。

Expo

Expo では企業による展示やグッズ配布、サービスのハンズオンなどが行われます。各所でサービスに関する議論が盛んに行われていました。

一般的な展示に加え、タッチモニターや AR を用いたミニゲームを展示しているユニークなブースも多く見られました。そこでは端末にメールアドレスを入力するとプレイでき、報酬としてグッズがもらえるという形式が主なものでした(そのメールアドレスに後日広告などのメールが届くというギミックです)。

各ブースでは日本語を話せる方が多数おり、こちらが日本人だと気付いてもらえた場合は話しかけてもらえ、そのまま話すことができました。また、どこかでは特定言語話者であることを示すバッチを配布していたらしく、それを付けておけば適切な担当者をスムーズに手配してもらえたりしたそうですので、言語で不安な方はそういう手を使うのも有りです。

懇親会

夜以降は各企業により様々な懇親会が企画されており、私たちは日本からの参加企業らの交流・情報交換を目的とした懇親会に2つ参加させていただきました。

個人的にはこれらの懇親会が非常に印象に残っており、普段の業務ではなかなか関わることがない多種多様な企業様との交流ができ、とても刺激的なものでした。

そこでは本イベントで初めて発表されたAI 系ソリューション「Amazon Q」の話題を火種に、AI の影響からエンジニアリングはどのように変化していくのか、という旨のディスカッションが各テーブルで巻き起こっており、AI 関連技術への注目度の高さを感じました。

最後に

AWS re:Invent は注目度の非常に高いイベントであるため、ほとんどの発表内容はすぐに各種 SNS やメディアで共有・議論されていました。よって、正直なところ最新情報を求めるのであればネット検索で事足りることがほとんどだと思います。現地でもスキマ時間はネット上の方が情報収集が捗ることがしばしばで、現地参加の価値とはどのような所にあるのかということを考えさせられるイベントでもありました。個人的には懇親会や Expo にて新しい人脈を得ることができたことが一つの価値だと感じており、積極的にそのような場でのコミュニケーションに参加したことは良かったなと振り返ってみます。

本記事の内容が来年以降に参加される方の一助になれば幸いです。